働く喜びを増やす
日本ブロアーが配信するメールマガジン「風のたより」にて連載されているコラムのバックナンバーをご覧いただけます。
最新コラムは、メールマガジンでのみご覧いただけます。ぜひメールマガジンにご登録ください。
コラムバックナンバーは、メールマガジン当時のままで掲載させていただいております。各記事内の情報・名称などは掲載当時のものであることをご留意ください。
◆
#09 組織マネジメントは将棋ではなく麻雀
こちらは2024年02月に弊社メールマガジンに掲載された記事の再掲です。
先月第8回の内容はいかがでしたでしょうか?
「人に自分の伝えたいことを分かりやすく伝えには、『予告』を意識する。『予告』をすることで、聞いている相手に『今から、自分は○○について話を聞くんだな』と腹積もりをさせられる。それだけで分かりやすい話ができるようになる。『予告の5つのパターン』を覚えておくと便利。」
①具体例の予告:「○○について具体的にお話します」
②理由・背景の予告:「なぜ、○○となったのか?その理由についてお話します」
③手段・方法の予告:「どうしたらいいのか?その方法にいてお話をします」
④伝えたいポイントの数の予告:「○○について3つお伝えします」
⑤所要時間の予告:「○○について3分お時間をいただいてお話します」
ということをお伝えしました。
何かヒントになることがあったのであれば嬉しいです。
◆
組織マネジメントは将棋といいますが…
さて、第9回からは、経営者や管理者が組織マネジメントをするうえで大切なことをお伝えしていきたいと思います。第5回から第8回まではビジネススキル編でしたが、今回からはマネジメント編です。マネジメント編の第1回目は、『組織マネジメントは将棋ではなく麻雀』と題してお伝えしたいと思います。
たまに社長や管理者の方で、組織マネジメントを将棋にたとえる方がいらっしゃいます。社員/部下は将棋の駒だというわけです。
「社員/部下が『歩』ばかりでは勝てない」とか、「『歩』を育成して『と金』にしなければならない」とか…
自分が駒を動かす棋士である、ということでは、確かにそういう考え方もあるのだろうと思います。
しかし、そんな話を聞くと、私としては思うわけです。組織マネジメントは、将棋ではなく麻雀なんだよなぁと。
私は、将棋をやらないので、本質が分かっていないかもしれませんが、組織経営はどちらかと言えば将棋ではなく麻雀だと思うのです。
将棋は、スタートの段階で戦力的には同じです。「金」が相手よりも2つ多く持てるときがあるとか、自分には「角」が少ないときがあるとか、そんなことはありません。また、相手の桂馬は横にも動けるとか、自分の飛車は前と後ろにしか動けないとか、そんなことはないわけです。全くの同等。
もちろん、その戦力(駒)を操る棋士には実力の差はあります。しかし、戦力(駒)は一緒です。ですから、将棋を始めたばかりの人がプロ棋士に勝つことはありえません。私が今から将棋を学んだとしても藤井聡太8冠に万に一つも勝てることはないでしょう。
しかし、麻雀は違います。
最初に牌が配られた時点で、将棋のように同等の戦力かといえば、そうではありません。麻雀は4人で戦いますが、全く同じ手牌が4人全員に配られるなんてことはありえません。
麻雀をやらない人にとっては分かりにくいかもしれませんが、牌が配られた時点で、その牌が揃っていればいるほど戦力的には高いといえます。基本的に、その揃い度合いは、平等ではなく不平等。つまりは端(はな)から戦力に差がある中での戦いということ。
しかも相手は3人いて、その3人がどれほどの戦力かはこちら側には分かりません。
ですから、1局、半荘程度の短期戦であれば、麻雀覚えたての人がベテランの人に勝つことだってあり得たりします。
戦力が他と比べて違う、というのは組織マネジメントも一緒です。
社員(もしくは部下)を麻雀の牌にたとえるなら、競争相手と全く同じ戦力の人材が用意されるなんてことはあり得ません。だからこそ、経営は将棋ではなく、どちらかと言えば、麻雀だと思うのです。
◆
与えられた条件で良い結果を出す
そして、今回の「風の便り」で一番伝えたいのは、次のこと…
「本当に麻雀の強い人は、配られた牌や自摸(ツモ)に文句を言わない」
桜井章一氏(※)が、「なんだよ~、この配牌は~!?」とか「自摸、最悪…」なんてことは絶対に言いません。
※桜井章一氏:代打ち(裏プロ)として20年間無敗を誇った伝説の雀士。
麻雀が弱い人って、たいてい配牌に文句を言います(私の持論です)。「なんだよ、この配牌は~、ひどいなぁ~」って。特に大きな点数で上がったあとの配牌が良くなかったりすると、必ずこう言います。
「かぁ~、満貫上がったあとに、この配牌かよぉ!」って。
組織マネジメントも同じです。
「うちにはいい人材がいない」、「いい人が来ない」と言っているのは、麻雀で配牌や自模(ツモ)に文句を言っているのと同じ。
例えば、とある管理職の方が、言っていたこと。「うちの部署のメンバーは、ベテランばっかりなんで、なかなかやりにくいものがありますね」。 とある社長さんが言っていたこと。「ウチみたいな中小企業だと、大企業と違ってなかなかいい人材が来ないですよ。人数も少ないし、細かいマネジメントまでやってられません」等々。
これは麻雀で言えば、配牌や自摸牌に文句言っていることと同じだと思うんです。
麻雀で、配牌や自摸(ツモ)に文句を言う人は、あまり強くはありません。それと一緒で、社員・部下に文句を言う経営者も管理者も勝てないんです。まずは手持ちの牌で戦うしかありません。それを自覚する。
麻雀もビジネスも与えられた条件が良い人もいれば、悪い人もいます。が、その配牌、与えられた条件を受け入れ、その条件下でどうしたら良い結果を出せるかを考える、当たり前なんですけど、それが麻雀でも仕事でも、まず最初に必要になる考え方なのではないでしょうか?
麻雀で自分の配牌が悪いからって言って、『もう一回配り直して』なんてことは言えません。ビジネスでも同じです。
麻雀では自分が要らない、って捨てた牌が他の人には、ものすごく重要な牌として役に立つことがあります。これも組織経営に通じるかもしれませんね。
最後に、麻雀必勝法を一つ。
麻雀で勝ちたいと思ったら、牌が配られたとき、どんな配牌であっても牌に向かって、「ありがたいなぁ、よく来てくれたねぇ。一緒に頑張って戦おうな」って心で念じてみてください。どんなにひどい配牌でもです。さらに、牌を切るときには、「ゴメンな、また会おうな」と心で言いなが切る。牌を自模(つも)るときには、「よく来てくれたね」と言う。
これで、勝率は間違いなく上がります!
◆
-
-
株式会社ナレッジ・プラクティス・コンサルティング 代表取締役社長
中小企業診断士・事業承継士・経営コンサルタント宇井 克己
製造業・コンサルティング会社を経て2002年に独立。『経営者も社員も働くことに喜びと幸せを感じられる組織作りを支援すること』を使命とし、コーチングやファシリテーション、正しい問題解決手法を駆使して「考える社員、考える組織」&「高業績企業」を多数輩出。年間の研修・講演回数は150回以上。



