金融機関での40年と新たな1年

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#01 金融機関とそのお取引先

こちらは2024年6月に弊社メールマガジンに掲載された記事の再掲です。

はじめまして、小生は、松永一九(まつなが いっく)と申します。一年前までは、ずいぶん長い間地域金融機関に勤めていました。訳あってか無かってか、今は自分を見つめ直す時間を楽しんでおります。

縁あって、このコラムを担当させていただく事になりました。
元来、このような文書を書くことを術として居らなかったので読者には、甚だ読みにくいかもしれませんがお許し頂きたい。
今回、金融機関とそのお取引先(サラリーマンや経営者)と言うテーマで、堅い話や軟らかい話を取り混ぜながら、多少でも読者のお役に立てるかなと思いペンを取ることにしました。

金融機関に居りました関係で、登場する会社名や人名は伏せさせて頂きます。
某銀行・半沢氏の『○○倍返し』みたいな話はないが、しばらくの間よろしくお付き合いいただきたい。

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金融機関のお客様はだれ

金融機関に行くと大抵、正面に預金の窓口があり、少し奥の方に融資窓口がある。
最近は、ATMでおおむね事足りるが、窓口でもにこやかに「○○円のご入金ですね。」とか「○○円お預かりします。」などと対応してくれ、入出金・振込等の手続きをする。日によって繁忙・閑散はあるが、営業時間中に行けばシステムトラブルでもない限り、その日に完結する。

一方、奥の方にある窓口は、そう簡単にはいかない。今日、借入れの申し込みをしてもその日のうちに貸してくれるなんてことは、先ずない。預かるときは手早いのだが、奥の方はやたらと時間がかかる。
例えば、住宅ローンを借りようとネット検索すると「住宅ローン事前審査はWebで完結・最短即日回答」などと謳っており、ここまでは順調だ。しかし、次の正式審査に進むと「ご用意いただく書類一覧」とかがあり様相が変わってくる。住民票・源泉徴収票は知っているが、「建築確認済証」「建築計画概要書」って何だ?一世一代の住宅ローンだから、慣れない書類の用意も致し方無い。

担当者は、おもむろに「他にご収入のあるご家族はいらっしゃいますか?」と、不意を突いてくる。『返済比率』というものがあって、世帯年収に占める年間返済額の割合の事で、審査の重要項目だと言う。この比率が低いほど返済負担が軽く、審査に通りやすいらしい。後々、私が返済に苦しむ事のない様心配してくれているのだろう。マイホーム取得までの道程は遠い。

だが、実は預金も借入も同じお金だ。

民法では預金のことを金銭消費寄詫、融資を金銭消費貸借と云い、その区別は明らかでなく、寄詫(預けること)に重点があれば消費寄詫、利用(借りること)に主眼があれば消費貸借となる。つまり金融機関は融資先に対しては債権者であるが、預金者に対しては債務者ということになる。窓口では「お預かりします。」などと言っているが、実は「お借りします。」なのだ。(金融機関の決算では預金は負債勘定となる。)

ようやく住宅ローンが決まり、マイホーム取得とともに金融機関との長い付き合いが始まる。そんなあなたは、今から金融機関にとって大事なお客様になる。なぜなら、あなたがこの先支払う利息は、彼等の収益となり社員の給与になる。金融機関は預金を預かっただけでは儲けはない、お利息を頂戴している貸出先こそが、お得意様なのだ、盆暮の挨拶には来ないが。預金者が仕入先なら貸出先が販売先となる。確かにどっちも大切だ。
御社は、当然仕入先・販売先ともに大事にしているだろう。

振り返って私は販売先つまり貸出先に、少しつれなかったかもしれない、と反省している。

つづく

私は、松永一九(ペンネーム)昭和30年代生まれ、都内の大学を卒業後、地域金融機関に就職しました。若い頃はバブル景気を横目に見やりながら、スーパーカブにまたがり地域のお得意様宅を走り回っていました。管理職にもなり40年近く勤めた後、いわゆる「会社人」とは異なった目線で世の中を見たい、かかわりを持ちたい、との思いが強くなり心機一転、退職して会社人ではない社会人一年生を始めました。
このコラムは、会社人だった頃の自分が感じた事、世間一般とはちょっと違った金融機関の見方、薹の立った社会人一年生が見た日常の景色などを、お伝え出来ればと思います。内容は、個人的な意見や恐らく思い違いも含まれますが、事実に基づくよう努めています。
The Rolling Stones「It’s Only Rock ‘n Roll」、Donald Fagen「The Nightfly」が愛聴盤

松永一九

松永一九(ペンネーム)

昭和30年代生まれ、地域金融機関に就職。40年近く勤めた後、いわゆる「会社人」とは異なった目線で世の中を見たい、かかわりを持ちたい、との思いから心機一転、退職して会社人ではない社会人一年生を始める。
The Rolling Stones「It’s Only Rock ‘n Roll」、Donald Fagen「The Nightfly」が愛聴盤

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#02「初めてのことをやってみよう」
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