金融機関での40年と新たな1年
日本ブロアーが配信するメールマガジン「風のたより」にて連載されているコラムのバックナンバーをご覧いただけます。
最新コラムは、メールマガジンでのみご覧いただけます。ぜひメールマガジンにご登録ください。
コラムバックナンバーは、メールマガジン当時のままで掲載させていただいております。各記事内の情報・名称などは掲載当時のものであることをご留意ください。
◆
#04 わが町再発見 / 人に歴史あり
こちらは2024年9月に弊社メールマガジンに掲載された記事の再掲です。
◆
わが町再発見
還暦を過ぎて金融機関を退職し、しばらくたった。 仕事には区切りをつけたが、またも何か始めてみたくなり、地元のシルバー人材センターに入会した。同センターのハンドブックを見ると、「就業を希望する高齢者に民間事務所・一般家庭・官公庁などから有償で引受けた仕事を提供することによって高齢者の社会参加の機会と生きがいの充実を図るとともに地域社会に貢献することを目的として設立した公益法人」とあり、入会資格は「原則60歳以上・健康な方…」となっている。駅周辺の公営駐輪場管理や公園・広場の清掃・除草などに従事している会員の姿をよく見かける。
私が紹介された仕事は、市内の公立小中学校を定期的に巡回する連絡便だ。約70ある小中学校を各方面ごとに軽自動車3台で、半日かけて巡回し書類等を集配する、と云うもの。会員8人でローテーションを組み、二人一組で各コースを巡回する。一週間に1~2回の仕事だ。始めて間もないのだが、色々と小さな発見がある。
小中学校は市内に満遍なく分散配置されており、全3コースを巡回すると、市内全域を回ることになる。この地に30年暮らし、それなりに市内の道路には精通しているつもりだったが、幹線道路でさえ、こんなにも知らない道があったのか、と驚いた。加えて巡回中に見かける街並み・公園・施設・史跡等、魅力的な景観がこれ程あるとは「ディスカバー・マイタウン(わが町再発見)」だ。後日、個人的に再訪しようと思う。
つくづく、今の世にカーナビゲーションがあってよかったと思う。大半が住宅地にひっそりと建つ学校を探し、ペーパーの地図を睨みながら見知らぬ道を走っていては、いつまでたっても終わらない。車に乗った彷徨老人だ。
同乗する会員も同じ市内に住む方たちなので、それぞれ自宅の周辺に差し掛かると、俄かに土地勘を取り戻し、わが庭とばかりに、それまで頼りにしていたカーナビゲーションに反旗を覆す。こちらが何処を走っているのかと戸惑っている間に、いきなり目の前に目的の学校が出現する。
これで今までの遅れを取り戻した。あくまでも安全第一の運転で。
◆
人に歴史あり
一緒に仕事をしている皆さんは、それまでの仕事に区切りをつけられた方たちで、様々な経歴を持ち、業種も多様だ。集配の車中で、聞かせていただく現役の頃の話は、経験に基づいており、説得力がある。大変勉強になり、心に響くものが多い。バブル景気(1990年)・東京都ディーゼル車規制の導入(2003年)・構造計算書偽装問題(2005年)などの只中に各々身を置き、現場で苦労された体験談は、リアルで一時代の貴重な記録だと思う。まさしく「人に歴史あり」、私一人が聞いているのでは勿体ない。
発見は他にもあるのだが、機会があれば改めてお伝えしたい。
前々回に続き、退職後の体験記になってしまった。本コラムに在職時の話題が少ないのは、まじめに仕事をしていなかったという事か。いやいや、そんな筈はないのだが…。
◆
-
-
松永一九(ペンネーム)
昭和30年代生まれ、地域金融機関に就職。40年近く勤めた後、いわゆる「会社人」とは異なった目線で世の中を見たい、かかわりを持ちたい、との思いから心機一転、退職して会社人ではない社会人一年生を始める。
The Rolling Stones「It’s Only Rock ‘n Roll」、Donald Fagen「The Nightfly」が愛聴盤



