金融機関での40年と新たな1年

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#05 転勤など、つれづれ

こちらは2024年10月に弊社メールマガジンに掲載された記事の再掲です。

少し前まで金融機関に勤めていた。そこでは必ず転勤があり、3~5年程度で次の店舗に異動するのが一般的だ。その理由は、新しい環境・多様な地域で経験を積み、キャリアを築いていくため、また長く同じ店舗に勤めることによる、特定の取引先との癒着を防止するため、とされている。

つれづれでの学び

転勤となれば新天地でのお客様はもちろん、社内の人間関係も一から構築していく。上司あるいは部下であっても、それぞれに相性の良し悪しというものはある。居心地のよい職場、そうではないところもあったが、どちらにしても3~5年で次へとリセットされるものと、努めて割り切っていた。楽しみは何と言っても仕事を終えた後、地元の居酒屋などでやる一杯だ。愛飲されている酒や、当地ならではの酒肴、風味・食べ方に戸惑ったり、得心したり楽しいひと時を過ごした。

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仕事柄、多くの取引先・職場の方々とかかわりを持ち、貴重な経験・勉強をさせてもらった。会社経営者は皆、経営哲学・理念を持っており、折に触れて聞かせて頂くそれらは、仕事上は勿論のこと、人生の道標にもなった。ある経営者からこんな訓言を教えていただいた。

過去の行いを知らんと欲せば現在の成果を見よ。未来の成果を知らんと欲せば現在の行いを見よ。

金融機関が、お客様と新たに融資取引を始めるとなれば、その後は長い取引になる。過去から現在までの業歴・業績だけではなく先々への継続性・成長性を検討した上で取引の可否を判断する。前述の言葉はまさしくそれを言い当てており、また時として自身を顧みる戒めとして、今でも胸底に置いている。

仕事に、人に、惚れる

初めて管理職になった頃、当時の店長から「この先、色々な店長の元で仕事をするだろう。惚れて仕事ができれば、それが一番だ。尊敬できるならそれも良い。そうでなければ、好きになるよう努めなさい。それも難しければ、せめて立ててやりなさい。」と聞かせてもらった。成程と、そんな視座を得たせいか、その後仕えた店長に、時には惚れながら、時にそうでなくても大きな不満を抱かずに仕事が出来たように思う。

巨匠と云われる映画監督フランシス・コッポラが「地獄の黙示録」の次に取り組んだ作品は、セットへのこだわりから製作費が予算を大幅に超過し、多額の資金難に陥った。覚悟したコッポラはスタジオにスタッフを集め、資金不足により給与の支払いは困難であり、これ以上撮影を続けることは出来ないことを告げ、謝罪した。するとスタッフの一人が「話は終りだ。みんな持ち場に戻ろう、次はシーン○○だ。」と促し、何事もなかったかのように撮影は続行され、映画は完成した。彼らはコッポラに惚れていたのだろう

振り返って、当時の部下たちは、私をどう思っていたのか。思い返せば、随分と立ててもらった気がする。皆さん苦労を掛けました、どうもありがとう。

松永一九

松永一九(ペンネーム)

昭和30年代生まれ、地域金融機関に就職。40年近く勤めた後、いわゆる「会社人」とは異なった目線で世の中を見たい、かかわりを持ちたい、との思いから心機一転、退職して会社人ではない社会人一年生を始める。
The Rolling Stones「It’s Only Rock ‘n Roll」、Donald Fagen「The Nightfly」が愛聴盤

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